DBきさらぎ
「あ、如月くん・・・!」休み時間、急に周りの女の子たちが騒ぎだした。如月くん?みんなの視線に合わせて後ろに振り向くと、後ろのドアの前に彼がいた。珍しい、普通科に用があるだなんて。如月くんこのクラスに友達いたっけ?と考えていたら、目が合った。チョイチョイ、とわたしを手招く仕草。わたし?自分に指差した。そう、お前。と頷く如月くんに漸く確信を持った。どうやらわたしに用事らしい。学内の有名人が普通科に来ることなんてないのに、黄色い声をあげても近寄りがたい如月くんにアタックする勇気のある女の子はいないようだ。目立つ、なあ。重たい視線を気にしないことにして、「はやくしろ」とでも言いたげな目を向ける如月くんの元へ歩いた。
「どうしたの?」
「数学の教科書。貸して」
「教科書?勉強するの?」
「・・・」
「あ、合宿近いんだったね。」
「うるせー」
「勉強する気あるならちゃんと教科書もってこなきゃ!」
「いいから貸せ」
「はいはい」
「どうしたの?」
「数学の教科書。貸して」
「教科書?勉強するの?」
「・・・」
「あ、合宿近いんだったね。」
「うるせー」
「勉強する気あるならちゃんと教科書もってこなきゃ!」
「いいから貸せ」
「はいはい」
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