抱きしめる話。
泣きそうなのを我慢しているような歪んだつらそうな顔をしている光。ああ、やっとか、と思った。テニス部の部長としていろんなものを背負い込んで、その他の分は我慢して、妥協して、諦めて、本当は納得いかない部分もあったのだって知ってる。めんどくさがってはいるけど文句はひとつももらさずに今日まで頑張ってきた光。白石君という前部長の大きなコンプレックスも全国大会出場校という耐えがたいプレッシャーにもぜんぶぜんぶ堪えてきたんでしょう。
「あね、き・・・」
本当に参っているのか弱気でか細い、声。おそらく他人には中々見せないような、姿。私よりも大きいはずなのに小さく感じられる、背中。
「がんばったね」
「・・・っ」
今までずっと我慢していた涙がついに零れた。
ぎゅ、と光を抱きしめた。
ゆっくりと、溜めこんでいたものを吐き出せるように。
明日光がいつも通り生意気な姿を見せられるように。
(静かな空気感が好きだ。)
「あね、き・・・」
本当に参っているのか弱気でか細い、声。おそらく他人には中々見せないような、姿。私よりも大きいはずなのに小さく感じられる、背中。
「がんばったね」
「・・・っ」
今までずっと我慢していた涙がついに零れた。
ぎゅ、と光を抱きしめた。
ゆっくりと、溜めこんでいたものを吐き出せるように。
明日光がいつも通り生意気な姿を見せられるように。
(静かな空気感が好きだ。)
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