文章置き

「あ、姉貴。俺彼女できた」
「ふーん、そうなんや。・・・・・・・・・・・・・えっ！？」
「えっ？（何その間ッ！！）」
「お、めでとう」
「お、おおきに」
「・・・・・・・（何この空気ッ）」
「・・・・・・・（え、えええ、ちょ・・・）」
「お、俺風呂行ってくるわ」
「い、行ってらっしゃい！」

＊＊＊

え、光に彼女できたって・・・え、え、、ええええええっ！！ちょ、どないしよ！？赤飯？明日赤飯炊いたほうがええのん！？弁当に赤飯か！？だ、誰かに電話しよ。ユウ君？いやユウ君にそんなこと相談できへんわ。小春ちゃんに電話したらユウ君が拗ねるし、今の時間に銀さんには電話できらんやろ、金ちゃんにそういう内容はあかんし、白石君は・・・論外。あ、謙也君！
「もしもし謙也君！？」
「おー、どないしたん、珍しいな」
「光が・・・光が・・・・！」
「え！？光どないしたん！？」
「光が彼女できた…！！」
「ああ、それやったら放課後に一緒にその子と帰ってたさかい知ってんで」
「うん、それは前に光が好きな子できたーって言ってたからええねんけど」
「（え、この姉弟そんな話までするんかよ）うん、」
「せっかくやから協力してあげたかったねん…！！」
「えっ」
「だって光が好きな子やで？あんま女の子に興味ない子やのにやで！？協力したなるやん！」
「そ、そやなあ」
「さりげなーくその子と光を鉢会わさせたりとかな、とにかく協力したかったねん…！」
「（あの子と光って同じクラスやったような…）う、うん・・・」
「まあ、同じクラスやって言うとったからそれは必要なかったんやろうけど」
「そりゃなあ」
「はあ…。寂しいわ、姉離れかな…」
「そ、そうかもなあ（その前にお前が先に彼氏できたやろ！）」
「あ、光お風呂あがりそうやから切るわ、ごめんな、聞いてくれてありがとう」
「おう、（なんやったんやろ…）」

あ、赤飯炊くべきか聞くの忘れとった。


＊＊＊

はああああああ・・・き、緊張した・・・！！こないだ好きな女できたって言うた時よりも緊張してんけど…！前の時よりも変な空気やったからかな…。いやでも姉貴おめでとうって言ってたから喜んでくれたんやろうけど。え、俺ちゃんと言えたよな！？さりげなく思い出したかのように言えてたよな！？・・・まさかそこで失敗した！？どないしようそれめっちゃ気まずいねんけど…！！と、とりあえず風呂あがったら誰かに電話しよ。ユウジ先輩？いやあの先輩にそんなこと相談できへんわ。小春先輩に電話したらユウジ先輩がむっちゃ怒ってくるし、今の時間に銀さんには電話できらんやろ、金ちゃんにそういう内容はあかんし、部長は・・・論外。しゃーない、そないなったら謙也先輩しかおらへんやないか。


―――「もしもし謙也先輩、」