「ただいまナリ」「おせえ!!」「えっ?」
さみい。昨日までここまで寒くなかったのに今日はもうここは冷凍庫の中か、ってくらいの寒さでマフラーや手袋なんてもう気休め程度でしかなかった。ポケットの中の手は寒さで縮こまっている。さっさと家の中に入ってコタツで暖まりたい。むしろコタツで冬眠したい。はやる気持ちを抑えてチャイムを押すが、いつもなら中からどたばたと玄関へ向かってくるはずなのに一向にやってこない。ああ!?あいつがこっちこいって呼びだしたくせにその当人はいねえとはどういうことだ!!一応持ってきておいた合鍵で荒々しくがちゃり、とドアを開けた。想像通り雅治のスニーカーが見当たらない。ちっ。つーか家の中なのにさみい。・・・コタツ。ずたずたと、勝手知ったる他人の家、真っ直ぐリビングへ向かった。リビングの電気をつけて、真っ先にコタツにもぐりこんでそれの電気もつけた。机の上には皮に何やら落書きされた蜜柑とマジックペン。
「買い物行ってくるぜよ」
(・・・ちっ。さみい。)
(あっくん視点初めて書いた、ような。冬のあくにお=蜜柑に落書き)
「買い物行ってくるぜよ」
(・・・ちっ。さみい。)
(あっくん視点初めて書いた、ような。冬のあくにお=蜜柑に落書き)
コメントを書く...
Comments