文章置き

written by古川優菜twitter:)http://twitter.com/fullkota思いついたときに思いついたことをつらつら書くので更新は不定期。
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思いついたときに思いついたことをつらつら書くので更新は不定期。

引きこもり少女

あっくん夢。

ドスドス、と階段を上る音がする。あれは、仁だ。姿が見えたわけでも声が聞こえたわけでもないが、あのゆっくりとした足取りと重みのある音は仁に違いない。のんびりと、机でパソコンをしていた私は慌ててパソコンを閉じてベットに入り頭まで布団にもぐりこんだ。息苦しいけど、それはもう慣れたもので、薄暗い布団の中で私は目を瞑った。
がちゃり、と自分の部屋のドアが開いた。
「おい、学校。」
「行かない。」
「出席日数やべえんじゃねえの」
「それ人のこと言えないでしょ」
「ちっ、うっせえ。行くぞ。」
「やだ」
はあ、とため息を吐くのが聴こえた。ごめんね、仁。でもね、私には学校なんていう世界は辛くてたまらないものでしかないんだよ。この布団の中の世界よりもよっぽど息苦しくて、暗い世界。
ぎしり、とスプリングがきしむ音がして仁がベッド脇に座ったことに気付いた。私をそれとなく撫でる手つきは布団越しでもわかる優しさ。仁は、優しい。見た目はあれかもしれないけど、引きこもる私に本気で切れて怒ることもないし、手を出すこともしない。めったに怒鳴らないし、布団をひっぺ返すこともない。結局その優しさに私はいつも甘えて、何度も言い逃れて学校へ行かずに毎日ここで自分の世界に浸っているのだ。ほんと、ごめんね。
「行かねえのか」
「だから行かないって言ってるじゃん」
「優紀のケーキ」
「え?」
「せっかく持ってきたんだが、しょうがねえな。お袋さんに食ってもらうとするか」
「だ、だめ!」
思わず、布団をめくりあげると、にやりと笑った仁が片手にケーキの小箱を持っていた。し、しまった・・・

「学校、行くぞ。」

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