八田ちゃん
(すべて八田鳥)
いつでも会いたいから、ずっとHOMRAにいるのにあいつは大学を優先してレポートや友人の付き合いばかりだ。勉強で部屋に籠ることもあれば、飲み会やら遊びにやら行ってしまってここに来るのはせいぜい週2。ちっ、待ってんのがあほらしい。貧乏ゆすりでグラスのコーラが揺れている。
***
眠れないからお酒を飲みたくなって、コンビニへ行った。お酒の入ったビニール袋を右手にマンションへ向かい歩いていたら草薙さんと八田に遭遇した。ちょっと恥ずかしい。「缶チューハイかよ」
「おい覗くな八田!」
「なんや、ええもんもってはるなあ。せやけど、家でひとりで寝酒するよりこっちきて皆で飲まへん?」
眠れない夜は終わらない
***
いつも空気が読めないと言ってもいいくらいひとりで五月蠅い八田なのに、どうしてだか私のマイナス感情をすぐに見抜く。メールでも電話していても、敏感に感じ取るから、イライラした時は八田と顔を合わせたくもない。気づけばあいつに八つ当たりしてしまいそうで。そういう時に限ってタイミング悪く連絡を寄越す八田に「会いたくない」とメールを返すとすぐに電話をかけてくる。「おい、今どこだよ」結局電話に出てしまう私は結局寂しいのかもしれない。
***
店であいつが特等席のソファに座っているとヘッドホンから流れる曲を聞きながら気分良く鼻歌を歌っている時がある。最近はいつも同じ歌、実際の歌は聞いたことねえのに俺までリズムを覚えてしまった。ひとり目を瞑り表情を和らげている姿にイラっとした。俺にあまり見せない表情をいとも簡単に引き出しやがる。机を挟んで向かいから睨みつけるように見つめてもまだ鳥は気づかない。
***
思わずゲームに夢中になって気づけばもう3時すぎ。あーそろそろ寝るか。テレビを消して歯磨きをするべく廊下に出るとコンコン、とノックをするような音がした。廊下の奥、玄関からだ。いやチャイム押せよ。
「はいはい、なんすかこんな夜中、に、」
誰もいない。
う、うそだろ!?…き、気のせいか。深呼吸をしてドアを閉めた。いつもならチェーンなんて掛けないが、念の為!べ、別に怖いわけじゃねえ、念の為だ!再び歯を磨こうと洗面所へ向かおうと玄関を背にした瞬間。
コンコンコンコン。
さっき周りを確認した時は誰もいなかった。・・・ま、まさ、か、いやいや!!気にするな八田美咲。俺は赤の王のクランズマン、ヤタガラスだ。そう、あれは風だ。風がドアを叩いている。ノックなんて気のせいだ。
コンコン。
びくっと体が跳ねた。と、鳥は今なにしてっかな。
「今何してんだよ」
メールの返事は一向に来ない。何やってんだ、俺のメールに返事しろよ馬鹿鳥!!
結局あれからリビングへ駆け込んだためノックの音は聞かなかった。安心して寝ればよかったのに鳥からメールの返事が来ないことが気になって気になって・・・眠ることができなかった。
「なんでメール返事しねえんだよ!?」
「いや、わたし今朝もバイトあったから寝てたし・・・」
「くそっ!起きろ馬鹿!」
「・・・なんかあった?」
「な、なななんでもなかったけど!?」
(Thanks to 鳥さん!)
いつでも会いたいから、ずっとHOMRAにいるのにあいつは大学を優先してレポートや友人の付き合いばかりだ。勉強で部屋に籠ることもあれば、飲み会やら遊びにやら行ってしまってここに来るのはせいぜい週2。ちっ、待ってんのがあほらしい。貧乏ゆすりでグラスのコーラが揺れている。
***
眠れないからお酒を飲みたくなって、コンビニへ行った。お酒の入ったビニール袋を右手にマンションへ向かい歩いていたら草薙さんと八田に遭遇した。ちょっと恥ずかしい。「缶チューハイかよ」
「おい覗くな八田!」
「なんや、ええもんもってはるなあ。せやけど、家でひとりで寝酒するよりこっちきて皆で飲まへん?」
眠れない夜は終わらない
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いつも空気が読めないと言ってもいいくらいひとりで五月蠅い八田なのに、どうしてだか私のマイナス感情をすぐに見抜く。メールでも電話していても、敏感に感じ取るから、イライラした時は八田と顔を合わせたくもない。気づけばあいつに八つ当たりしてしまいそうで。そういう時に限ってタイミング悪く連絡を寄越す八田に「会いたくない」とメールを返すとすぐに電話をかけてくる。「おい、今どこだよ」結局電話に出てしまう私は結局寂しいのかもしれない。
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店であいつが特等席のソファに座っているとヘッドホンから流れる曲を聞きながら気分良く鼻歌を歌っている時がある。最近はいつも同じ歌、実際の歌は聞いたことねえのに俺までリズムを覚えてしまった。ひとり目を瞑り表情を和らげている姿にイラっとした。俺にあまり見せない表情をいとも簡単に引き出しやがる。机を挟んで向かいから睨みつけるように見つめてもまだ鳥は気づかない。
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思わずゲームに夢中になって気づけばもう3時すぎ。あーそろそろ寝るか。テレビを消して歯磨きをするべく廊下に出るとコンコン、とノックをするような音がした。廊下の奥、玄関からだ。いやチャイム押せよ。
「はいはい、なんすかこんな夜中、に、」
誰もいない。
う、うそだろ!?…き、気のせいか。深呼吸をしてドアを閉めた。いつもならチェーンなんて掛けないが、念の為!べ、別に怖いわけじゃねえ、念の為だ!再び歯を磨こうと洗面所へ向かおうと玄関を背にした瞬間。
コンコンコンコン。
さっき周りを確認した時は誰もいなかった。・・・ま、まさ、か、いやいや!!気にするな八田美咲。俺は赤の王のクランズマン、ヤタガラスだ。そう、あれは風だ。風がドアを叩いている。ノックなんて気のせいだ。
コンコン。
びくっと体が跳ねた。と、鳥は今なにしてっかな。
「今何してんだよ」
メールの返事は一向に来ない。何やってんだ、俺のメールに返事しろよ馬鹿鳥!!
結局あれからリビングへ駆け込んだためノックの音は聞かなかった。安心して寝ればよかったのに鳥からメールの返事が来ないことが気になって気になって・・・眠ることができなかった。
「なんでメール返事しねえんだよ!?」
「いや、わたし今朝もバイトあったから寝てたし・・・」
「くそっ!起きろ馬鹿!」
「・・・なんかあった?」
「な、なななんでもなかったけど!?」
(Thanks to 鳥さん!)
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