文章置き

「きゃぷ、てん」
「どうした」
モーグリの姿をした小さなネロが俺の服をくいくいと引っ張る。圧倒的な身長差で上目遣いが非常に可愛い、なんだこいつ世の中のモーグリをすべて集めたい。・・・あー、どうやらここでは聞かれたくない話らしくてネロがきょろきょろとあたりを見回している。「ここでは話せないのか」と聞くと予想通りにネロはこくんと頷いた。それを見て俺はネロを抱き上げて自分の部屋へ向かった。

「で、なんだ」
「あの、ね。ベポのたん、じょうび」
「・・・ああ」
そういえばもう11月で、ベポの誕生日が近付いている。グランドラインにいると1年の四季と言うものはほとんど関係ないものでこの時期でも暑い時もあるし一般に夏と言われる時期でも寒い時は寒い。まあノースブルーは年中寒かったが。季節感というものを全く感じさせないここでは、カレンダーがないと本当に今が何時なのかわからなくなる。
ベポの誕生日は毎年盛大に祝う。クルー全員で大量にアザラシを狩って、たんまりごちそうを用意して、酒も用意する。まあ結局いつもと変わらない宴なんだが、何か理由がある宴はいつもの宴よりも楽しいものだ。
「それでね、プレゼント、したい、の」
「プレゼント？」
「キャスがおしえてくれた」
「ほう。何あげるんだ」
「くび、の、・・・」
「首・・・？」
どうやら言葉が浮かばないらしい。元々こっちの言語を使い始めてまだ浅いネロはたどたどしく語彙力も極端に少ない。そういう時はスケッチブックでネロが伝えたいことを絵で表現する。上手いわけじゃねえが、それでも幾分かは伝わりやすいのだ。そういうわけでスケッチブックとクレヨンをネロに手渡した。
クレヨンがスケッチブックをするするとすべっていく。耳だったりオレンジ色のツナギからしてベポを書いているらしい。ただいつもと違うのは首の部分。ツナギではなく赤い色の何かが巻かれている。
「ああ、マフラーか？」
「ま、ふらー！」
「確かにあいつ持ってなかったな」
ヒトとは違い暖かい毛に包まれているベポはマフラーは必要ないらしくいつも寒い日でも付けていない。そうかそこに目を付けたのかさすが俺のよｍげふんげふん。
「いいぜ、作り方教えてやるよ」
「わあ！！あり、がとう！！」
「フフ、どういたしまして」

手とり足とり教えてやるよ。
(・・・鳥肌立ったのはなんでだろう)(フフフ、さて毛糸はどこにあったかな)

＊＊＊
いつものヴィエラでモーグリな設定です。
かっこの鳥肌立ったのはネロちゃん。
変態ローさんはマフラーくらい器用に編めるでしょ？でしょ？

ベポの誕生日が11月20日だとおおおお！！
ツイッターで教えていただいた方に大感謝。
そういうわけで布石です。ちゃんと20日に間に合うのだろうかね！！