覚えているのは、涙の暖かさと抱きしめられた暖かさだけ。
「―――さっすがアニキだよなー。人情にあふれるっつーか」
「風来坊も、そう申すか」
「んー?あいつほど包容力あるやつはいねーぜ?」
あれは、馬鹿ぞ。本当はそこまで出来た人間でもないくせに虚像ばかり作りよって。無茶してすることでもなかろうに。周りに応えることばかり考えて自分が後でつらくなることを考えてすらおらぬ。自分でそんなものを積み上げて、ますます自分を苦しめておる。誰も気づかぬのか、あれが笑うたびに苦しそうにしておるのを。それのせいで、我は、
「どうした元就?」
「・・・なんでもあらぬ。」
そっと服越しに傷を撫ぜた。
(そのくせ自分で作った傷を見るたびに苦しそうな顔をする、あれは。)
「風来坊も、そう申すか」
「んー?あいつほど包容力あるやつはいねーぜ?」
あれは、馬鹿ぞ。本当はそこまで出来た人間でもないくせに虚像ばかり作りよって。無茶してすることでもなかろうに。周りに応えることばかり考えて自分が後でつらくなることを考えてすらおらぬ。自分でそんなものを積み上げて、ますます自分を苦しめておる。誰も気づかぬのか、あれが笑うたびに苦しそうにしておるのを。それのせいで、我は、
「どうした元就?」
「・・・なんでもあらぬ。」
そっと服越しに傷を撫ぜた。
(そのくせ自分で作った傷を見るたびに苦しそうな顔をする、あれは。)
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