文章置き

「今年も健やかに過ごせますように」と短冊を飾りながら、ふと何かあったっけ。と首を傾げた。いつもこの時期に何かをしていたような気がする。携帯には不在着信どころかメール通知すら来ていない。はて。何だったものか。テレビではがやがやと野球中継を繰り広げている。今日も東亜は無茶な試合をしているのだろう。ああ今度出口さんに何かご馳走しよう。そういえば今日はいつもより豪勢な食事を作ろうと下準備してある。どうして？七夕だから？いや、毎年ご馳走を作って、東亜とお祝いして・・・お祝い？

……あ。誕生日だ。
そういえば去年もケーキを買ってきて2人で食べた。そうだケーキだ。ケーキを用意していない。かといって特別なプレゼントすら用意していないのだが。さてどうしよう、とりあえずケーキを買いに行こう。あの駅前のケーキ屋さんならまだ閉店していないはずだ。それから、メールを。

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今日もいい試合だった。河中ザマーミロ。だが勝利した試合後の高いテンションの煩さと言ったら鬱陶しいことこの上ない。そんな奴ら(主に出口）の煩い絡みを躱してシャワーを浴びて、髪をガシガシと片手で乾かしながら携帯をチェックした。新着メール1件。


「今日は早く帰ってきてね」


思わず噴き出した。朝は気づいた様子が全くなかった。いつも通りの朝で、いつも通りの朝飯に、他愛の無い話に、見送り。変わったことと言えば「帰ってきたら東亜も短冊飾ってね」とだけ言っていたくらいだ。きっと、短冊を飾っている途中で気づいたんだろう。俺の誕生日に。



しょーがねーから、寄り道もせずに帰ってやるよ。



（完全に出遅れたけど東亜ちゃんお誕生日おめでとう大好き。)