文章置き

ああ、久保ちゃんもこういう気持ちだったのか。苦しい。胸の奥が張り裂けそうなくらい。俺、死んじゃうかも。
「死んじゃいそう」
「は？」
「時任と一緒にいられる時間が、心地よくて」
「いいことじゃん」
「うん、だから苦しいの」
「・・・よくわかんねーよ久保ちゃん」
今、痛いほど、わかったよ。いなくなって初めて気づいた。俺、馬鹿みたい。


***

「これ、久保ちゃん？」
「ちがうよ、それはコップ」
「そっか。」
「ここ、ここにいるよ」
「いま、手握ってる？」
「うん」
「そっか」
感覚も鈍ってきて、目が見えなくなって、いつか耳も聞こえなくなるんだろ。そしたらどうやって久保ちゃんのこと感じられればいいんだろう。ねえ、久保ちゃんは今そこにいるの？いる？よかった。あのさ、久保ちゃん、ころしてよ、俺の事。

***
(ちょっとえろい）

「やだやだやだ、指はやくちょうだい、くぼちゃ、」
「あーげない」
「なんで、くれないのばか、ばかばかばか」

このかわいいの見たいから、とか言えないなあ。
やけにしゃべるし積極的だし泣き叫ぶし、猫の発情期みたいね、お前。

久保ちゃんはやくちょうだい、ばかそれじゃねーってなんでそんなつめてーもん、いらないから、はやくあついのちょうだいよ。