紫原/男夢主
(中学生設定)
テスト前の部活の無い期間、赤司に「敦を頼んだよ」と託されて数日経った。毎日のように放課後の図書室で敦のわりには真面目に勉強してきた。敦は馬鹿だけどやればできる子。赤司に「赤点取ったらお菓子没収」とでも言われているのか、類稀なる集中力を以って着実にテスト勉強に臨んでいた。そんな敦が昨日ついに駄々をこねた。
「疲れた。バスケしよう」
ま、たまにはいいか。
右手にボール、左手にミネラルウォーター。
鬱蒼としている草の向こう側の公園からわめく敦の声が聞こえてきた。珍しい。会話しているにしても聞こえるのは敦の声だけだ。はて。
「あ、あげねーし!」
「いくらお前がそんなもの欲しそうな目をしていてもこれは俺のものだし!」
「わめくなし、何度鳴かれても、む、無駄だってば」
にゃあん。
「・・・た、食べかすならあげないこともない」
どうしても気になって草の合間をぬって公園を覗くと、しゃがんだ敦の足元に黒い子猫がいた。きっと食べかすとかいいながら、敦は大事なまいう棒をそのまま猫に渡してしまうのだろう。意外と敦は猫が好きだ。
じゃ、俺は水を分けてあげますか。
(それから、むっくんお誕生日おめでとう。)
テスト前の部活の無い期間、赤司に「敦を頼んだよ」と託されて数日経った。毎日のように放課後の図書室で敦のわりには真面目に勉強してきた。敦は馬鹿だけどやればできる子。赤司に「赤点取ったらお菓子没収」とでも言われているのか、類稀なる集中力を以って着実にテスト勉強に臨んでいた。そんな敦が昨日ついに駄々をこねた。
「疲れた。バスケしよう」
ま、たまにはいいか。
右手にボール、左手にミネラルウォーター。
鬱蒼としている草の向こう側の公園からわめく敦の声が聞こえてきた。珍しい。会話しているにしても聞こえるのは敦の声だけだ。はて。
「あ、あげねーし!」
「いくらお前がそんなもの欲しそうな目をしていてもこれは俺のものだし!」
「わめくなし、何度鳴かれても、む、無駄だってば」
にゃあん。
「・・・た、食べかすならあげないこともない」
どうしても気になって草の合間をぬって公園を覗くと、しゃがんだ敦の足元に黒い子猫がいた。きっと食べかすとかいいながら、敦は大事なまいう棒をそのまま猫に渡してしまうのだろう。意外と敦は猫が好きだ。
じゃ、俺は水を分けてあげますか。
(それから、むっくんお誕生日おめでとう。)
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