尊さん
ぱしゃ。
「?なにしてんだ」
「手、撮ったの」
「…なんの意味があんだ」
「わたし、尊さんの手がすきなの。大きくてごつごつしててあったかいからすき。」
は、と鼻で笑ったのは照れ隠しだといいなあ。
右手を取られ、ぎゅ、とつないだ手にもう一度ぱしゃりと写真を撮った。
***
「尊さん、海に行きたいなー」
「…冬に行ってどうすんだよ」
「え?うーん、冬の海って良くない?」
「そうか?」
「うん、夏のキラキラした海よりも冬の曇った日の薄暗い感じがいい。」
「ほう」
「それでね、冷たい風がすき」
ちゃり、とバイクの鍵を鳴らした尊さんに「こんどいこう」とささやいたら「いまからだろ」と返された。
***
入口近くの壁にもたれかかる尊さんの横に、さりげなく並んだ。肌で感じる分にはあまり気が立っていない。むしろいつも通りと言ってもいいくらい冷静、かな。だらりと無気力に垂らしている腕を絡めた。肘あたりからさわさわと服を撫でながら手首のシルバーをなぞり最後に手をくすねていく。大きな手。あたたかい。「おい」あ、怒られるかな。離せ、と伝わったので手遊びしていた腕を離すとその手首に飾られていたシルバーを自ら外した。「やる」「え?」どうして、とは聞けなかった。ああ、態度には出ていなかったけれどいつもより無口だ。何も聞くなって目が語ってる。右腕に嵌められたシルバーアクセサリーは大きくて、今にも落としてしまいそうになった。「みこ、」と。声をかける前に、草薙さんの肩をポンと諌めて、わたしもアンナちゃんも連れて行くことなくひとり部屋を離れて行った。
(アニメ12話の死亡フラグを助長させただけだった)
「?なにしてんだ」
「手、撮ったの」
「…なんの意味があんだ」
「わたし、尊さんの手がすきなの。大きくてごつごつしててあったかいからすき。」
は、と鼻で笑ったのは照れ隠しだといいなあ。
右手を取られ、ぎゅ、とつないだ手にもう一度ぱしゃりと写真を撮った。
***
「尊さん、海に行きたいなー」
「…冬に行ってどうすんだよ」
「え?うーん、冬の海って良くない?」
「そうか?」
「うん、夏のキラキラした海よりも冬の曇った日の薄暗い感じがいい。」
「ほう」
「それでね、冷たい風がすき」
ちゃり、とバイクの鍵を鳴らした尊さんに「こんどいこう」とささやいたら「いまからだろ」と返された。
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入口近くの壁にもたれかかる尊さんの横に、さりげなく並んだ。肌で感じる分にはあまり気が立っていない。むしろいつも通りと言ってもいいくらい冷静、かな。だらりと無気力に垂らしている腕を絡めた。肘あたりからさわさわと服を撫でながら手首のシルバーをなぞり最後に手をくすねていく。大きな手。あたたかい。「おい」あ、怒られるかな。離せ、と伝わったので手遊びしていた腕を離すとその手首に飾られていたシルバーを自ら外した。「やる」「え?」どうして、とは聞けなかった。ああ、態度には出ていなかったけれどいつもより無口だ。何も聞くなって目が語ってる。右腕に嵌められたシルバーアクセサリーは大きくて、今にも落としてしまいそうになった。「みこ、」と。声をかける前に、草薙さんの肩をポンと諌めて、わたしもアンナちゃんも連れて行くことなくひとり部屋を離れて行った。
(アニメ12話の死亡フラグを助長させただけだった)
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