文章置き

ふわあ、とあくびをこぼしながら広報部へと向かっている廊下、持田さんに会いました。

「あ、持田さん。おはようございます」
「・・・それどうしたの」
それ・・・？何か変わったことあったっけ。と考えていると、みるみる内に機嫌が悪くなっていく。え、ほんと何かしたっけ。うーん、と思わず声が零れたころ、ぐっと私の腕を取ってすたすたと歩いて行った。持田さん腕痛い痛い！！そうやって連れて行かれたのは空いている会議室で。まあ、要は追い込まれました。
「髪。どうしたの」
「へ？」
「ポニーテールしてないじゃん」
「あー。いつも使ってる髪ゴムが切れちゃって」
「別のゴムねえの」
「え、あったかな・・・」
「探せよ」
「いや、ないかと・・・」
「さ　が　せ　。」
「・・・・はい。」
あの、探すんで、ほんと、その瞳孔開いた瞳で見下すのはやめてくださいほんとこわいですううう！半泣きになりながらバッグをごそごそと探す。入れた記憶ほんとにないんだよ。でも見つからなかったら見つからなかったで目に見える持田さんの機嫌。ああー、どっかにないかな！！うーん・・・あ、あった。赤い髪ゴム。いつ入れたのか全然覚えてないけどそんな過去の私GJ！！
「ありました！ありましたよ、持田さん！」
「さっさと結べば」
「は、い」
そんなに下ろした髪は似合わないのだろうか。悲しいなおい。バッグを漁ってた時に一緒に見つけた櫛を使って髪を束ねていく。鏡ほしい。けど、じっとこっちを見ている持田さんが怖くて洗面所行きたいとかそんなこと言えるわけもなかった。よし、我ながら何も見ずにやった割にはきれいに結べた、かな？
「でき、ました」
「・・・そんでいいんじゃない」
そう言ってせっかく結んだ髪をぐしゃぐしゃと撫でて会議室を出て行った。なんだったの…。


まだ見ぬ先に嫉妬。


（持田さん負の感情はわかりやすいのに…）（ポニーテールで眼鏡の夢主）