鉄火巻き食べるのは私です。
「え、何それ」
「恵方巻きー」
「あー。もうそんな時期だったっけ」
「うん。モッチーも食べようぜー」
「なんで鉄火巻きなの」
「俺あのごちゃごちゃ入ってるの好きくないんだもん」
「ぶは!ガキかよ達海さん」
「いいじゃんよー」
達海さんは少しすねながら実にはマグロしか入ってない恵方巻きと、しょうゆが入った皿を手に持って背を向けた。ことん、と床に皿を置いた。「今年は南南東らしいぜー」どうやらあちらが南南東らしい。それがちょうどETUのマスコットと向かい合っているようで、思わずまた吹き出した。
「あ、食べてる間話しかけんなよー福が逃げるんだから」
「はいはい」
ほい、と俺にも恵方巻きを渡された。せっかく一緒にいるのにしゃべれねえとかつまんねー。人知れずむすっとしているうちに隣でいただきまーすと律儀に挨拶して恵方巻きを口に含んだ。その横顔をじっと見つめているとこっちを向いて達海さんが何か言いたげな目をした。さっさと食べろって?えーやだ。口の端についた米粒を舌で舐めとり、そのまま半開きになっていた達海さんの唇にキスをした。そのまま舌を入れて歯列をなぞる。舌を絡ませると微妙にしょうゆの味がした。
「もー邪魔すんなよモッチー!」
「あ、しゃべった」
「うっさい!それ言うならお前もしゃべったじゃん」
「食べてる間は、でしょ?俺まだ食べてないもん」
「おまえ、ずるい」
福よりも俺だろ。
(タツモチに、できなかった。)(そしてフライング。)
「恵方巻きー」
「あー。もうそんな時期だったっけ」
「うん。モッチーも食べようぜー」
「なんで鉄火巻きなの」
「俺あのごちゃごちゃ入ってるの好きくないんだもん」
「ぶは!ガキかよ達海さん」
「いいじゃんよー」
達海さんは少しすねながら実にはマグロしか入ってない恵方巻きと、しょうゆが入った皿を手に持って背を向けた。ことん、と床に皿を置いた。「今年は南南東らしいぜー」どうやらあちらが南南東らしい。それがちょうどETUのマスコットと向かい合っているようで、思わずまた吹き出した。
「あ、食べてる間話しかけんなよー福が逃げるんだから」
「はいはい」
ほい、と俺にも恵方巻きを渡された。せっかく一緒にいるのにしゃべれねえとかつまんねー。人知れずむすっとしているうちに隣でいただきまーすと律儀に挨拶して恵方巻きを口に含んだ。その横顔をじっと見つめているとこっちを向いて達海さんが何か言いたげな目をした。さっさと食べろって?えーやだ。口の端についた米粒を舌で舐めとり、そのまま半開きになっていた達海さんの唇にキスをした。そのまま舌を入れて歯列をなぞる。舌を絡ませると微妙にしょうゆの味がした。
「もー邪魔すんなよモッチー!」
「あ、しゃべった」
「うっさい!それ言うならお前もしゃべったじゃん」
「食べてる間は、でしょ?俺まだ食べてないもん」
「おまえ、ずるい」
福よりも俺だろ。
(タツモチに、できなかった。)(そしてフライング。)
コメントを書く...
Comments