文章置き

※現パロ。こたちか兄弟。


んん、と伸びをしてあくびをこぼした。蛇口をひねってコップに水を注いでそれを飲んで頭をすっきりさせた。さて。朝飯と、弁当を作らなければ。ここには俺と兄貴の小太郎しかいない。昼間は配達員のバイト、夜間は道路工事のバイトだったり、ガードマンのバイトだったり、はたまたバーテンのバイトだったり、ずっと働きづめのこた兄。高校生の俺にできることは少ないから、せめてでも家事は全部こなすことにした。学生は勉学が本業だろって俺にはバイトさせねえんだぜ、こた兄。夜遅くまで働いてる分しっかり栄養とってもらわねえとな！俺ぁ朝飯も弁当も手抜かねえぜ！今日の朝飯は昨日煮た鯖の味噌煮と、ひじき。弁当にも入れといた。味噌が切れかけだからすまし汁をこしらえて、昨日の残りのポテトサラダがあるからそれを添えにして、完成。本当は一緒に食べたいけどできるだけ寝かせてやりたいから朝飯は1人で食べる。うん、うまい。でも、やっぱりさみしい。

あーもう8時じゃねえか。そろそろ出ねえと間に合わねえ。本当はつまんねえ学校なんて行きたくないけれどこた兄が行けって言うから、ちゃんと休まずに登校してんだ。食器洗いもほどほどにしてリビングへ向かった。ベッドで寝ればいいのにこた兄はいつもリビングのソファで寝ているのである。
「こた兄」
「・・・ん、」
名前を呼んで身体をゆすると、かすかにかすれた気息が聞こえたかと思うと、目を擦りながらのそりと起き上がった。眠そうな表情してるのを見ると申し訳なくなる、けど言っておかなければ。
「朝飯と弁当作った、から。ちゃんと食べてくれよな。あと、寝るならベッドで寝てくれ」
「・・・（こくり）」
「んじゃ、学校行ってるわ。あ、バイト行くときはちゃんと戸締りかくに、」
確認してくれ、と頼む前にぐ、とネクタイを引っ張ってそのまま触れるだけのキスをされた。にぃ、といたずらそうな笑みが浮かぶ、こた兄。


いってらっしゃい、と唇が象った。
（っ、その笑顔は反則だろ！）



（書いてからとび職こたちゃんでもかっこいいと思った）