ユーリ・ペトロフ
「ほら、貸して。」癖のあるプラチナブロンドの髪をコームで梳いていく。銀色は、絡まることもなくさらさらと流れて落ちていく。時折電灯に反射して輝く髪に見惚れながらも慣れた手つきで彼の髪をまとめていく。このリボンを結ぶと彼は何を発することもなく出て行ってしまうのだろう。ああ、彼は今日も私がまとめた髪なぞ忘れて青い仮面を被って青い地獄を進みゆくのだ、青い炎を掌に輝かせて。
そこには行ってきます、の言葉も無い。
(お久しぶりです。生きてます)
そこには行ってきます、の言葉も無い。
(お久しぶりです。生きてます)
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