文章置き

written by古川優菜twitter:)http://twitter.com/fullkota思いついたときに思いついたことをつらつら書くので更新は不定期。
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思いついたときに思いついたことをつらつら書くので更新は不定期。

紫原/男夢主

(中学生設定)

「あつい、」
ただでさえのんびりとしている敦がこの夏の暑さについにだれた。
2学期も始まったというのにまだ秋の気配は感じられない。昼休み、なんとか菓子だけでなくご飯を食べさせて、「食後のおやつー」とか言いながらカップのアイスクリームを食べていた頃は心なしかうきうきとしていたのだが、食後からしばらくすると行儀悪く咥えていたプラスチックのスプーンをぽとりと落とし、「あつい、のどかわいた」とつぶやいて、ぺたりと机にはりついた。器用に体を丸めてへなー、としている姿は巨体とは思えないほど威厳がない。
「だからガリガリ君とかのど渇きにくいの食べればよかっただろ」
「バニラ味が食べたかったのー」
「お茶飲む?」
「飲む!」
バッ、と体を起こして犬のように「お茶!お茶!」と騒ぐ敦にペットボトルを手渡した。さっき買ったばかりの飲みかけのペットボトルの表面はすでに汗をかいてる。こくりこくり、とお茶が通っていく喉にも軽く汗が浮かんでいる。
「ん、お茶ありがとー。」
「は、おま、飲みすぎだろこれ!」
「のど渇いてたんだもーん。」
「ていうかお前そんな暑いなら髪結えばいいだろ。」
「んー、あれ朝練でぷっちんした」
「は?」
「暇なときびよーん、ってしてたら、」
その言葉で思い出した。そういえば昨日の授業中に声をかけられたかと思ったら、「みてみてー、びよーん、ばちん!」と髪ゴムで遊んでいた。ばちん、としたのはいいが明後日の方向へ飛んでいき「あ、飛んでった」と髪ゴムを拾おうとしたら先生に睨まれたのだった。
「そんなこともあったな。」
「うん。そんでゴム伸びちゃってー、無理矢理結おうとしたらぷっちん、って」「あほか」
あほじゃないし、という続いた言葉には説得力の欠片もない。しゃーねえなあ、と呆れてため息をこぼし、机に置いてあった筆箱をごそごそと漁る。あ、あった。
「ん。」
「お。髪ゴムだー。」
「おー髪ゴムだよ。」
「ありがとー」
「どーいたしまして。」
こいつに貸したらたぶん返ってこないだろーけど。ほとんど飲まれたお茶のことも借りパクされるであろう髪ゴムのことも、この敦のふにゃり、とした笑顔を見るとどうでもよくなる。
あーこいつは本当に狡い。

「うまく結えない」「・・・あほ」「あほじゃないし」
(貸した髪ゴムを奪って紫色の髪を綺麗にまとめると、また嬉しそうに笑った。)

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